ジェノサイド条約(Genocide Convention、正式名称:集団殺害罪の防止および処罰に関する条約、英語名:Convention on the prevention and Punishment of the Crime of Genocide )は、集団殺害を国際法上の犯罪とし、防止と処罰を定めるための条約。ジェノサイド(「種族」(genos)と「殺害」(cide)の合成語)を定義し、前文及び19カ条から成る。
1948年12月9日、国連第三回総会決議260A(III)にて全会一致で採択され、1951年1月12日に発効。締約国は138カ国(2006年10月現在)である。日本は日本国憲法第2章戦争の放棄第9条の問題(芦田修正)や国内法の未整備(例えば条約では「集団殺害の扇動」も対象であるが、日本の国内法では扇動だけでは処罰できない点)の問題もあり未加入。
第二次世界大戦中、ドイツが行ったユダヤ人の大量虐殺は、典型的なジェノサイドである。戦後のニュルンベルク裁判で「人道に対する罪」として処罰された。
締約国の義務(第1条)
締約国は、集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを防止し、処罰することを約束する。
ジェノサイドの定義(第2条)
この条約では、集団殺害とは、国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為のいずれをも意味する。
(a) 集団構成員を殺すこと。
(b) 集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。
(c) 全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。
(d) 集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。
(e) 集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。
処罰する行為(第3条)
次の行為は、処罰する。
(a) 集団殺害 (ジェノサイド)
(b) 集団殺害を犯すための共同謀議
(c) 集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆
(d) 集団殺害の未遂
(e) 集団殺害の共犯
管轄裁判所(第6条)
集団殺害または第3条に掲げる他のいずれかの行為について罪を問われている者は、その行為が行われた領域の国の権限ある裁判所により、または国際刑事裁判所の管轄権を受諾している締約国については管轄権を有する国際刑事裁判所により裁判を受ける。ただし、この条文は多数の国が留保しているため機能不全に陥っている。
ジェノサイド(英: genocide)は、一つの人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する抹消行為をさす。
元はナチス・ドイツのユダヤ人虐殺に対して使われたため、一般には計画的大虐殺の意味で使われるが、国外強制退去による国内の民族浄化、あるいは異民族、異文化・異宗教に対する強制的な同化政策による文化抹消、また国家が不要あるいは望ましくないと見なした集団に対する断種手術の強要あるいは隔離行為など、あくまでも特定の集団の抹消行為を指し、その手段が必ずしも殺戮である必要はない。
またこれを目的とした行為は集団殺戮行為も含めて国連採択のジェノサイド条約によって人道に対する罪として規定されている。
genocide はギリシャ語のgenos(種族・国家・民族)とラテン語の接尾辞 -cide(殺)の合成語である。ガス室集団虐殺を告発するため、第二次世界大戦中の1944年に、連合国側アメリカで刊行されたユダヤ人ラファエル・レムキンの著『占領下のヨーロッパにおける枢軸国の統治』で使用されたのが最初である。日本語には集団殺害と訳されるが、ジェノサイドの実際の規定では殺害が伴わない場合もある。また、集団殺人であっても、民族・人種抹殺の目的を伴わない場合はジェノサイドに当らない。
ジェノサイド条約上の規定
国連で採択された(1948年)ジェノサイド条約(集団抹殺犯罪の防止及び処罰に関する条約)(第2条)国民的、民族的、人種的、宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる次のような行為と定義されている。(カッコ内は通説)
集団構成員を殺すこと。
集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。
(拷問、強姦、薬物その他重大な身体や精神への侵害を含む)
全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。
(医療を含む生存手段や物資に対する簒奪・制限を含み、強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。
(結婚・出産・妊娠などの生殖の強制的な制限を含み、強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。
(強制のためのあらゆる手段を含む)
同条約第3条により、次の行為は集団殺害罪として処罰される。
集団殺害 (ジェノサイド)
集団殺害を犯すための共同謀議
集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆
集団殺害の未遂
集団殺害の共犯
通説では、集団の全部または一部を破壊する意図があれば足り、いかなる手段や動機・目的・理由付けによるかは問われないとする。また、行為の主体にも限定はなく、客体の人数にも限定はないとされる。
「民族浄化 (ethnic cleansing)」もこれに含まれる。なお、ソ連を始めとする共産圏の主張から、「社会階級的、政治・イデオロギーまたは文化的な集団の全部又は一部を破壊する意図をもつて行われた行為」は条約の定義から除外された。
旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所規程第4条2項並びに、国際刑事裁判所規程第6条にも、ジェノサイド条約第2条と同様の規定があり、「集団殺害」について定義されている。
人道に対する罪とは構成要件を異にする。すなわち客体は「国民的、民族的、人種的、宗教的な集団の全部または一部」であり、また意図に関する要件(集団の全部または一部を破壊する意図)がある。
国際司法裁判所は、1996年の「ジェノサイド条約の適用に関する事件」(ボスニア・ヘルツェゴビナ対ユーゴスラビア)(管轄権)判決において、ジェノサイド条約によって承認された権利と義務が、ジェノサイド条約という枠組みを超えて、対世的な(erga omnes)権利と義務であると認定した(C.I.J.Recueil 1996, Vol.II, p.616, par.31)。かつ、同裁判所は、2006年の「コンゴ民主共和国領における武力行動事件」(2002年新提訴、コンゴ民主共和国対ルワンダ)判決において、ジェノサイドの禁止がjus cogensの性質を有すると認定した(C.I.J.Recueil 2006, par.64)。以上により、ジェノサイド条約で規定されているジェノサイドの定義、およびその行為を禁止し、防止し、処罰する個人及び国家の義務は、条約を超えて一般国際法上の義務となったといえる。
ジェノサイドと認められている事例
条約上の集団殺害罪に該当するもの。なお、民族浄化の項目も参照のこと。国連でジェノサイドに当ると認定された行為は意外と少ない。例として以下のものが挙げられる。
ルワンダで1994年春に行われた虐殺。
進行している虐殺がジェノサイドであると判断される場合は条約調印国全部に介入義務が生じるため、介入を避けようとした調印国の抵抗により国連でその認定が遅れた、その際にジェノサイド的行為が行われていると見解を発表するにとどまった。虐殺終了後に事後的にジェノサイドであると認定される。(ルワンダ紛争参照)
ナチスのユダヤ人に対するホロコースト(参考・ガス室)
ソビエト連邦の共産政府とNKVDによるウクライナ人に対するホロドモール
旧ユーゴスラビアにおけるユーゴスラビア紛争
特にボスニア内戦時の民族浄化(国際司法裁判所は、1995年7月13日より始まったVRS(ボスニアのセルビア人武装勢力)によるスレブレニツァにおける虐殺(スレブレニツァの虐殺)をジェノサイド条約2条上の集団殺害と認定した。「ジェノサイド条約の適用に関する事件」(ボスニア・ヘルツェゴビナ対セルビア・モンテネグロ)(本案)判決、2007年2月26日、I.C.J.Reports 2007, pp.98-108, paras.278-297.)
国際世論において大まかにジェノサイドであると見なされているものもある。
キャリ プラス 百目柿 コロッケ ピロー ビリア ブルース プレイパ ライブ 二輪草 タイム ミルク とまぴ こげちゃ だいせん おおば ダブル ネービ ヨハネ ほろば リル アイアール カレンシー がいせい ハイピッ にがうり トラップ フィス マロニ 紅い橋 プロイ みぎわ フォト モールド パンク メーク トリオ カバラ ライチー ハラム ギキョウ ナビリネン げきけい ブタノール スワン ナレッジ コクシ ディン トルコ マグレブ
ダルフール紛争における集団虐殺。
これは進行中の虐殺である。ジェノサイドであるとの正式な認定が国連で行われていないために強制的な介入は行われていない。
オーストラリアのアボリジニの強制同化政策。
オーストラリアの議会の調査書でこれが条約によって規定されるジェノサイドに当るとの見解が出されたが行政府にはこれに反発している。
また、ジェノサイドであるかどうか当事国の間で議論となっている事例も存在する。
トルコのアルメニア人虐殺。
トルコ政府はこの見解に反発しているが、国際的には論争が続いている。また一部の国においては議会で正式に虐殺であるとの認定が存在する[要出典]。
ジェノサイドの比喩
ここまでに挙げた「ジェノサイド」は、要件を人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する抹消行為としている。
対して、存在に対する抹消行為と言う意味で、「ジェノサイド」と言う言葉の比喩的な意味(用法)として、以下のような文脈が用いられることがある。
文化的なジェノサイド
文化的・宗教的な集団の文化的・宗教的・歴史的な存在等の全部または一部を破壊する意図をもって、1つの文化的・宗教的集団の構成員または文化的・宗教的・歴史的な資産に対して行われる行為を、「文化的なジェノサイド」と言う。この概念は、少なくとも国際法上では、確立されていない。
集団が使用しまたは使用した言語の一部または全部の使用の禁止(その言語による書物・記録などの破壊を含む)、知識的階級(学者、賢者、僧侶、祭祀、無形文化財などあらゆる文化的・宗教的・歴史的要素の中心となる人物の階級を含む)の強制収容・移住・隔離、あらゆる重要文化財の組織的破壊(文化的・宗教的・歴史的な書物・偶像・碑柱その他)などが文化的なジェノサイドに該当する。植民地支配もこれに含まれる場合がある。
近年における典型的な例としては次がある。
ターリバーンによるバーミヤーン渓谷の古代遺跡群における仏像の破壊
その他
ハンセン病患者に対する強制隔離・断種手術も、特定の疾患を持つ構成員に対すると言う意味では、「ジェノサイド」に比喩される行為である。 朝鮮半島における創氏改名もまた「文化的ジェノサイド」に等しいといえよう。